働くために生きてるわけじゃない

一般企業や病院で働いていた店主の諒さん・Tomiさんご夫妻。それぞれが、周りの「人生を楽しんでいる存在」に感化され、自らの道を切り拓いていった。

大学卒業後、敷かれたレールではなく自分らしく働けるスタイルを模索し、カフェ開業を志す諒さんと、関東の病院で作業療法士として働きながらサーフィンやヨガをはじめたTomiさん。

諒さんは、小商いで自由に働く人の姿に魅力を感じ、自分のアジトのような『店』を持つことを一つのゴールとして有名企業で働きながら独立の道を探った。一方、病院で働くTomiさんは、サーフィンを楽しむために自由に働く仲間との出会いや、ヨガの"自ら動いて治す"という考えに感銘を受け、『働く』ことを捉え直すようになった。

決められたルートやありきたりな選択肢ではなく、"道なき道をいく"ことで自身の心が躍る生き方を選ぶ2人。
ほどなくして、東日本大震災が起き、二人に衝撃を与えた。

3.11後も変わらない生活への疑問

夫・諒さんの生地である青森・野辺地（のへじ）。
隣の六ヶ所村には、核燃料再処理施設がある。

「震災後に反原発運動が各地で起こった。地元だって、福島と同じことが起こり得る」

そう思った諒さんは、地元よりも東京の方が反原発運動に勢いがあることに違和感をもった。

「スーパーの棚から物がなくなって、お金があっても手に入らない、物がない状況。」

関東で震災を体験した妻・Tomiさんは、その後あたりまえのように元の生活にもどっていく都会の生活を不思議に思った。

今後また有事のとき、『自分たちでモノをつくり、生きる力』を養えなければ、暮らしはより困難になるのではないか。できることを、できる範囲で始めていきたいという想いが、2人に共通していた。

犬に噛まれる心配がなく、眠れる幸せ

仕事を辞め、店を持つ前にそれぞれがバックパックで世界を巡った。日本ではあたりまえの日常とまったく異なる景色や文化を肌で吸収し、たくさんの発見や答え合わせをするような旅になった。

旅をしながら、Tomiさんはタイでマッサージの資格を取り、施術の練習をする代わりに宿を提供してもらい、『自分の手で仕事を創造する』というスタイルで旅をつづけた。お金があっても国の通貨に換金できるところがなければ、食べ物も宿も手に入れることができない。「ないものは、どうやったら作れるだろう」と自然に考える土台を、旅を通して身につけたと諒さんは語る。

日本は物資やインフラに恵まれ、普段の生活に危機感をもつことはほとんどない。「無事に朝を迎えて、命があることを実感できる。」その喜びを多くの人が忘れ、あたりまえに明日も生きてると考える。もし、今日が最期の日だとしたら、一体どんな風に過ごすだろう。

トータルケアができる場へ

二人は海外で目にした、自由な働き方や、大きなスーパーの個包装ではなくファーマーズマーケットで生産者から直接量り売りで買う生活などから、環境や自分たちが楽しむことを大切に暮らす生活を日本で実践するようになった。

青森・野辺地（のへじ）にある自遊木民族珈琲は、海沿いの古民家を少しずつ改修し、隣の畑で野菜を育て、店で出すお菓子にも利用している。できるだけゴミのでない販売方法を考えながら、自分たちにできることを一つ一つ取り入れている。
新しく買い換えた方が便利ではやい、それでも昔からあるものをリペアし、時代を超えて残りつづけるモノにエネルギーを注ぐ。

最近、導かれるように山の仕事に勤しむ諒さん。「山は、すべての源泉」という。山の中で過ごし、自然と生身の人間が対峙することで、言葉を超えたなにかに身を包まれ、死生観のような得体の知れない世界とつながることができる。

西洋医学も東洋医学もキャリアをもつTomiさん。
「不調はさまざまな要因が絡んでいるもの。食もボディワークも、考え方もすべてを通してアプローチすることが大切」

自遊木民族珈琲は、飲食にとどまらず、存在を通してたくさんのことを私たちに気付かせてくれる。日々のコーヒータイム、今を生きる時間に想いを馳せてみよう。そしてまた、明日をともに、無事に迎えられるように。

＜商品説明＞

＜原材料名＞
コーヒー豆

＜内容量＞
100g（豆 /粉）

＜ご留意事項＞
・常温でお届けします
・開封後1ヶ月以内にお召し上がりください

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