「おなじ味」を出すことが大事

今から90年以上前に創業し、長きにわたり作られ続ける【フライボール】
現在は3代目が受け継ぎ、先代が改良を重ねて築いた味を守り続けている。

大切なのは「同じものをつくること」と、統括主任の中村さんはいう。

「お菓子の味で、ふるさとを思い出してほしい」

お店のある青森・むつ市は、地元を出て市外や県外へ移り住む人が多い。遠く離れた地で、たまに帰ってきた地元で、"おなじ味"を通して、それぞれの胸にある『懐かしさ』につながるとうれしい。

そのために、味をブレさせることなく季節や気温に合わせて微調整をしながら、生地の食感や風味が損なわれないよう工夫してお菓子づくりをする。

「同じものをつくること」は、簡単なようで簡単じゃない。時代や状況によって、人々が求めるものも、物価や市場価値も多様に変わりゆく。
同じ味を守ってくれているからこそ、安心して『あの時とおなじ』を思い出し、世代を超えて愛着が育まれるのだろう。

お店があれば、いつでも帰ってきたときに立ち寄れる

【むつの便りはやなぎやのお菓子で】というのは、お店が大切にしているキャッチコピーだ。

「地元を離れた子どもたちに贈りたいからって、揚げたてのフライボールを買っていく人もいるよ」
「もうこっちに実家がなくなっちゃった人もいるけど、店さえあれば、帰ってきたときにちょっと寄れる場所になるからね」

お菓子工房やなぎやは、むつの地域と人々をつなぐ中継点のような存在で、お菓子を通していつまでも『ここに帰る場所があるよ』と思わせてくれるような温かさがある。

むつ市があるのは、本州の最北端、青森県の下北半島というエリアだ。

「僻地（へきち）だけど、この地域でがんばってるお菓子屋さんがあるってことを、少しでも発信できたらなって」

県外問わず長く愛されるお菓子屋さんがこの地域にあることは、むつ市や青森県民にとっても誇らしくありがたい存在だ。

食べ方の、ちょっとした裏ワザ

この世界には、フライボールマニアが少なからず存在している。（筆者もその一人）

フライボールの一番おいしい食べ方は、何よりも"揚げたて"を食べること。むつ市にあるお店では、揚げたてフライボールをバラ売りしていて、そこでしか味わえないサクサク食感が楽しめる。

ただし、遠方に住んでいるとむつ市まで買いにいくのはなかなかハードルが高い。そこで、フライボールマニアたちがこっそり楽しむフライボールを味わい尽くす食べ方をご紹介する。

①ホックホクの揚げたて再現
フライボールをアルミホイルで包み、オーブントースターで焼く。少しだけホイルをめくって、ほんのり焦げ目をつける。熱々フライボールの完成だ。

②冷え冷えなのにサクサク食感
フライボールを冷凍庫へIN。解凍せず凍ったまま食べると、なぜか揚げたてのようなサクサク食感に。あんこは凍っても固まらないので、冷たくて食べやすいお手軽スイーツになる。

そのまま食べてもおいしいフライボール。自分流の食べ方で、さらに愛着を醸成できる。

お店がある限り、地域に根付く小さなお菓子の『おなじ味』が、人それぞれの『帰る場所』として心のなかに小さな灯りをともしつづける。食べると感じる「おかえり」の想い。
やなぎやは、今日もむつの便りを届けてくれる。

＜商品情報＞

＜原材料名＞
小豆こしあん（国内製造）、小麦粉、食用油脂、砂糖、卵、マーガリン、牛乳、食塩/甘味料（トレハロース）、膨張剤（一部小麦、卵、乳成分を含む）

＜内容量＞
2個入り / 5個入り

＜ご留意事項＞
・直射日光、高温多湿を避け、なるべく涼しい所で保存してください
・賞味期限に関わらずお早めにお召し上がりください

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フライボール2個入り(写真は2袋です)

フライボール5個入り(写真は2袋です)