え、なんで津軽で売ってるの

筆者が東京に暮らしていたとき、あるお店で、このはとむぎかりんとうに出会った。うっかり手にとり、その後どハマりする人生がはじまる。

青森で暮らしはじめて、津軽といわれるエリアを訪れたとき、特産品売り場にドヤッとならぶはとむぎかりんとうたちがいた。

「え、きみ、まさかの青森出身だったの！？」

東京からの久しぶりの再会に感動ひとしお、5袋買って帰った。それも一瞬でなくなった。

愛しのはとむぎかりんとうが、まさか青森発祥だったとは。うれしくて、ドヤドヤと遠隔に住む友人たちにはとむぎかりんとうを送りつけた。

30年超のロングセラー

はとむぎかりんとうは、青森・中泊町にある【中里はとむぎ工房】でつくられる。

今から60年以上まえ、いまのご主人・塚本さんの曾祖父が、首のイボとりのために在来種のはとむぎを自家栽培したのがはじまりだという。

「はとむぎを使った商品を何かつくろうとして、かりんとうが生まれたみたいです。当時はせんべいなんかもやってたって」

ほそながい形状から"かりんとう"に似ているとして名付けられたお菓子。食感や味の改良を重ね、現在の味にいたっている。
一般的な甘い蜜がかかった"かりんとう"とは違い、ほんのりした甘さが生地に練りこまれ、素朴な風味が特徴だ。手作業だからこそ、ふぞろいの形が独自の食感を生み出し、はとむぎが本来もつほんのりと香ばしい味わいがたのしめる。

「"ハトムギ"って、漢方なんかでは名前を聞くことがありますよね」

ハトムギの皮をのぞいた種子『ヨクイニン』は、漢方の生薬としてつかわれている。いぼや肌あれに効能があるとされることから、当時、首のイボに悩まされたおじいさんは、ハトムギの栽培をはじめたのだろう。

"食材"としてのハトムギは、多くの人にとって、あまり馴染みがないと思う。しかし、はとむぎかりんとうを食べると、ハトムギ本来のおいしさに目覚め、もっと身近にハトムギを味覚としてたのしみたいと思えてくる。

青森・中里（なかさと）の貴重な在来種をまもる

"在来種"と聞くと、どんなイメージをもつだろう。
"在来種"とは、その地域に古くからある生物種のことを指す。逆にいうと、よその地域からもち込まれた種や、人工的な遺伝子操作により品種改良した種は、在来種ではない。

世界自然保護基金が公表した2020年のレポートによると、世界の生物多様性は過去5年で68%喪失しているという。(参考: https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4402.html)
人間たちが、都合のよい選択をくり返した結果、地球上の生物多様性は危機的状況に陥っている。

この中里のハトムギも、貴重な在来種のひとつだ。一度失くすともう取り戻せない大切な「タネ」を、中里はとむぎ工房は、受継ぎ、育み、守りつづけている。

ハトムギなら、どれも同じということではない。この中里の在来種でつくるからこそ、地域に根ざしたそこでしか味わえない素材の魅力が生まれるのだと思う。"はとむぎかりんとう"は、シンプルなおいしさを通して、ハトムギ本来の食材としての魅力を伝え、地域の希少な種を守り、ゆたかな生態系を支える尊い役目を果たしている。

＜商品説明＞

はとむぎかりんとう小　150g

はとむぎかりんとう大　300g

＜原材料名＞
小麦粉（北海道産）、はとむぎ粉（中泊産）、卵、砂糖、植物油、ベーキングパウダー

＜内容量＞
130g / 260g

＜ご留意事項＞
・直射日光、高温多湿を避けてください
・商品の特性上、運送中に割れや破損が生じる場合がございます。予めご了承ください
・保存料は使用しておりませんので、開封後は賞味期限に関わらずお早めにお召し上がりください。
・冷凍商品との同梱はいたしかねます

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