自分でつくるとおいしい、それを地域のみんなに届けたい

農家に生まれ、農家に嫁ぎ、農業に長くたずさわってきた。だけど、米農家をしていた昔は、米の価格を農家が自由に決められず、嫁という立場で「言われたことをやる」ことしかできなかった。

1993年頃からはじまった官民提携の『道の駅』開設により、2001年12月に『道の駅とわだ　とわだぴあ』がOPEN。生産者が直接販売できることに魅力を感じ、すぐさま立ちあがった。県の指導員から教えをうけ、自家栽培した農作物を加工・製造し、商品をつくった。「自分でつくって自分で売る」ことのたのしさを、ついに身を以て体感できるようになった。

さちこさんは、米や大豆、野菜など、なんでも自分で育てる。米ぬかなどを発酵させたEMボカシという肥料をつかうと、作物がどんどんおいしくなることを知った。おいしい作物を、自分の手で加工し、地域のみんなに食べてもらう。発酵調味料の『塩こうじ』や地域の郷土食『豆しとぎ』は、自分で栽培した原材料とともに、レシピを添えて販売する。

「レシピがあったら、お客さんはもっとたのしいですから」

ただ商品を"売る"だけでなく、買った人に"どうやって楽しんでもらうか"まで考えるさちこさん。

「私のレシピはね、ぜんぶ公開してるんです」

郷土食は人に依拠しがちで、情報として残りにくい。「教えないと伝わらない」と、さちこさんはいう。地域の食が伝承する大切さやむずかしさは、地域のひとが一番知っている。

「地域」を何よりも大切に想う心

お葬式があればお弁当を、田植えの時期にはお団子を、そのときそのとき地域が必要とするものを、さちこさんは食としてつくり続けてきた。

「お団子がほしいって、たくさん言われることもありますけど、忙しいときは地域のものを優先させます」

この地域では、春の田植えや秋の稲刈りをする初日に、神様へお赤飯やお団子をお供えする。12月には一年のお礼を神様にお伝えする。地域の人々が神様仏様へ祀るものを、何よりも優先させたいというのがさちこさんの想いだ。

食糧が豊かになり、いつでも、どこでも、多様な食品にアクセスできる時代。しかし、その背景には、地域の食を大切にし、1年を通して神仏に感謝をささげてくださるからこそ実る、この地域ならではの作物がある。

とにかく忙しい、でも、嫌だと思ったときはない

さちこさんは、多忙を極めている。作物を育て、加工するところまで、すべてを担っているからだ。自分たちの育てたもち米でもちをつき、育てた小豆であんこをつくり、それらを丸めてお団子にする。一年を通して、味噌やおにぎり、赤飯やお惣菜、お弁当など、四季折々の幅ひろい商品をつくりながら、冠婚葬祭や地域の行事をたくさん担っている。

「すごく楽しいんです、いやだと思ったときはないですね」

毎日忙しいさちこさんは、生き生きとした眼差しでそう答えた。

「やっぱり自分でつくったものはおいしいんです。それをみんなに届けられたらと思うんです」

さちこさんが大切に育てたお米の炒り玄米で、わが家は何度も救われてきた。目には見えなくても、さちこさんの地域を想う気持ちが、この玄米には宿っているのかと思うくらい、不思議なパワーを秘めている気がしてならない。

食べたもので、私たちのカラダはつくられる。だからこそ、作り手がその土地を丸ごと敬愛し、手塩をかけて作られた食を口にすると、自然と心も身体も大地のエネルギーで満たされると思う。どんな選択をするのも自由。だからこそ、自分が心から納得できるものを、暮らしに一つずつでも増やしていきたい。

想いをもって生産してくださる方の商品を選ぶことで、私たちがどんな未来を築いていきたいかを示す一つの表現行動になると思った。困ったときに、心身を支えてくれるさちこさんの炒り玄米。わが家には、なくてはならない心身の支えだ。

＜商品説明＞

さちこさんの育てたお米でつくる炒り玄米

ごはんに混ぜて炊いても、お茶にしてもおいしい

＜原材料名＞
うるち玄米（自家栽培まっしぐら使用）

＜内容量＞
350g

＜ご留意事項＞
・常温でお届けします。
・高温多湿、直射日光を避けて常温で保存してください。
・開封後はおはやめにお召し上がりください。
・本商品のご購入者様へは「炒り玄米ペースト」の作り方をお付けいたします。

※このページ全部のテキストの転載・複製・改変・転用等は禁止です。